アキレス腱の疾患で一番有名なのがアキレス腱断裂だと思います。
アキレス腱の周囲にはパラテノンがあり、他の腱に比べて強い回復力があります。
その回復力が強い部位にでる炎症。
痛みはどんどん緩和していきそうなのですがなかなか解消しない理由について解説していきます。
炎と痛の違い
アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎・アキレス腱滑液胞炎は西洋医学的に言うとどれも炎症です。
アキレス腱痛でありません。
「炎」は炎症のことで防御反応による反応で、「痛」は疼痛のことで不快感覚による反応です。
炎症の名のつく所は直接的な原因が痛みの部分にあるのではなく、二次的ストレスの影響で防御反応が炎症部位に起こっています。
このことからアキレス腱の炎症3疾患は名前が違いますが発生要因や原因はほとんど同じでアキレス腱以外の部位です。
アキレス腱の炎症は昭和に比べると多くなっています。
運動で起こるだけでなく日常生活での発症も多くなっています。
その要因は「靴の影響」や「足の機能低下」が多くを占めています。
アキレス腱は痛みの解消がゴールではない
どこの痛みもそうですが、身体の中で起こる炎症や損傷は視覚化できないので痛みだけを指標にしがちです。
例えば擦り傷だと擦りむいだ時は痛みがありますがかさぶたができた頃には痛みを感じにくくなっていると思いますが治癒はしていませんよね。
炎症時の痛みは治癒よりも先に解消します。
アキレス腱も炎症で二次的影響からくる防御反応なので痛みが解消しても根本的な原因の解消を行わない限り解消とは言えません。
解消しておかないと今後、「断裂」「周囲の肉離れ」「坐骨神経痛もどき」「半月板損傷」「肩こり」などを引き起こす可能性があります。
「アキレス腱に古傷がある」このフレーズは断裂した人以外は通用しません。
しっかり元の状態にまでコントロールしていないからです。
ふくらはぎは第二の○○
アキレス腱はふくらはぎと呼ばれる下腿三頭筋の腱です。
ふくらはぎは第二の心臓と言われているように心臓の影響を受けます。
例えば心筋梗塞や狭心症の経験がある人はアキレス腱が横に太く広がっています。
これを元の細さに戻すことは難しいです。
そして、心筋梗塞が起こる可能性が高い人にも起こる場合があります。
これは体験したことなので全員が起こる現象ではないかもしれませんが実際アキレス腱周囲炎と診断されて来院された時に心臓疾患があった方もいました。
頻発する場合は痛みだけを見るのではなく形状把握や状況把握も必要です。
整形外科的に捉えるとアキレス腱しか見ないかもしれませんが心臓疾患の要因(反応点)もあります。
身体全体的な要因を考えてみることも忘れないで欲しいです。
延長線に何があるのか
アキレス腱は踵の骨(踵骨)を介して足底筋膜になります。
足周囲は地面からの衝撃と人の荷重をしっかり足で受け止めたくさんの関節に分散しています。
アキレス腱と繋がっている足裏はしっかり荷重を受けることができているかで比重が変化するので判断ポイントになります。
理想は足裏とアキレス腱の比重が50:50です。
運動していないのにアキレス腱に炎症が出るのであれば、足の機能低下は原因の1つと捉えてもいいと思います。
運動している人は機能があっても炎症が起こる場合がありますがそれは床や地面の反張力が変化する場合に起こりやすいです。
サッカーだと天然芝・人工芝・土すべて硬さが違います。
硬さに対応できる足の機能があるかどうかは機能低下とは別問題です。
後はアキレス腱と足底筋膜の間にある踵骨の状態です。
踵骨は捻挫の影響を受けて足の内側にも外側にも捻じれます。
捻挫も痛みが取れても歪みが残っている人が多いです。
長期間履いた中敷きの踵の部分は万遍なく薄くなっているのであればいいですが、どちらかに薄くなっているのであれば踵骨からの影響も考えるべきです。
そして中敷きと靴のすり減り方に相互性が無い場合は足の機能低下の可能性がグンと上がります。
取り巻く影響
アキレス腱が痛くなったとき純粋な足だけの問題なのか精神的な問題なのか心臓の影響なのかは確認しておくべきだと思います。
心臓の影響の有無を確認することは来院してもらえばできます。(心臓疾患の可能性がある場合は病院へ受診をおすすめします)。
心臓疾患の影響を受けないアキレス腱の炎症の場合、施術によりほとんど解消します。
ほとんどの要因として「重度の肉離れ」「足周囲の手術」「糖尿病」などがあると痛みの解消はできても根本の原因となる部分の影響が解消しにくく炎症していない側との差を感じる場合があります。
「靴擦れ」「足裏のタコ」「外反母趾」「内反小趾」「偏平足」など足に特徴的形状がある場合は痛みの解消以外に再発防止プログラムをおすすめしています。
「むくみ」もアキレス腱の炎症に関係しますが根本原因が施術だけでは解消しない場合もあり、食生活の影響も考えられます。
タイミングを逃さない
アキレス腱断裂の様な最悪な状態にならないため、今で正常に戻しておくことを念頭に生活の癖や後遺症の除去、足の機能回復の問題が解決してくればアキレス腱はコントロールしやすいです。
アキレス腱の炎症にストレッチを提案されることも多いと思いますが、二次的要因により起こっているので、他の部位との関連を考えず無理にしていくと結果的に断裂を誘発することにもなりかねないので注意が必要です。
どうしてもストレッチが行いたい場合は少し伸びている程度でゆっくり時間をかけてしてください。
思いっきり伸ばすのはダメです。
あまり改善がみられず時間だけが経過している人は一度いろんな角度から問診や触診してもらい、「施術する部分」「自分でケアする部分」「習慣を変える部分」を分けてやってもらえたらと思います。
足裏マッサージでは足裏に全身の反応点があります。
アキレス腱の痛みやアキレス腱炎でお悩みの方は、ぜひ当院へご相談ください。
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