椎間板ヘルニアが原因の痛みやしびれは比較的少なく、多くの場合、椎間板ヘルニアが起こる要因である身体のバランスの影響を受けています。
ヘルニアに囚われない対策を行うことで、手術をせずに解消することができます。
椎間板ヘルニアのメカニズム
腰椎椎間板ヘルニアとは、椎間板を構成する線維輪に亀裂や断裂が起こる結果、線維輪内部にある髄核や線維輪が脊柱管内や椎間孔内外に膨隆・脱出することで、脊髄や馬尾や神経根に障害を与える状態を指します。
30~40歳代の男性に多く、腰痛患者の10~20%にヘルニアが確認されます。
病態による分類
椎間板ヘルニアが起こるとすべての人が下肢痛や痺れに悩むのではありません。
椎間板の状況確認と症状確認を明確に診立てる必要があります。
①椎間板突出
椎間板が局所的あるいは全体的に膨隆している状態を指します。
線維輪は正常な形態を保っているが、髄核が軽微に変性しています。
②靭帯下脱出
線維輪の亀裂により髄核が線維輪を突破し、後方脱出した状態を指します。
後方脱出した髄核は後縦靭帯下に留まっています。
③経靭帯脱出
椎間板組織が後縦靭帯を破り、脊柱管内に達している状態を指します。
脱出部分が内部の椎間板組織と連続性を有しています。
④遊離脱出
経靭帯脱出に類似していますが脱出部分が内部の椎間板組織を連続性が無い状態を指します。
発症様式と症状
発症様式
- 急性腰痛で始まり、1週間後に下肢症状を伴うようになる場合。
- 徐々に下肢症状を伴う場合。
整形外科ではこの2種類に分類されますが近年では急激な下肢症状で発症する人も多くなってきています。
症状
- 腰部・臀部・下肢の疼痛。
- 下肢のしびれ感・脱力感。
- 閉尿・便秘。
- インポテンツ。
閉尿・便秘・インポテンツなどを総称して膀胱直腸障害といい、この症状が起こる場合は緊急手術の可能性があるため、直ちに整形外科への受診をすすめています。
腰椎椎間板ヘルニアが起こる理由
ヘルニアが起こるには、椎間板に局所的ストレスが反復的に刺激されないと起こりません。
脊柱への刺激の分散ができないことで椎間板を構成する線維輪に亀裂や断裂が起こります。
脊柱は頚椎7個・胸椎12個・腰椎5個・仙骨1個・尾骨1個から構成されており、荷重分散域の限界を迎えた場所の椎間板が損傷します。
頚椎・腰椎にヘルニアが多い理由は姿勢の安定性を高めるために付随している骨が無いためです。
胸椎は肋骨・胸骨と胸郭を構成し、仙骨は寛骨と骨盤を構成します。
日々様々な姿勢で過ごす中で、同じ姿勢でも負荷のかかる関節には個人差があります。
自分の特徴を知った上で、姿勢矯正・筋トレ・ストレッチなどの対処方法を行うのであれば問題はありませんが万人受けする対処方法には大きな落とし穴があり、症状が緩和しない理由はここにあります。
椎間板ヘルニアから考える未来
椎間板ヘルニアが起こりやすい状況は脊柱の機能破綻の中期です。
30~40歳ごろに多い理由はそれ以上の年齢では機能破綻が進行し、別の疾患に移行するためです。
今行う対策で、未来の疾患を防ぐことができます。
初期:機能不全期
椎間板突出期に該当し、反復ストレスにより後方にある椎間関節の異常運動がみられます。
この時期に多い疾患は急性腰痛(ギックリ腰)です。
中期:不安定期
靭帯下脱出期・経靭帯脱出期・遊離脱出期に該当し、椎間板の内部破壊が進行することで髄核が脱出することで、後方にある椎間関節の異常運動が亢進します。
周囲の靭帯は緩み安定性が低下することで関節が変形します。
この時期に多い疾患は椎間板ヘルニアです。
後期:再安定期
椎間板は線維化し、関節の変形が著しくなることで腰椎の可動域がほとんどなくなります。
関節の変形に伴い、脊柱管が狭窄します。
この時期に多い疾患は脊柱管狭窄症です。
関節が不安定になり発症する椎間板ヘルニアを対策し、未来起こる脊柱管狭窄症を予防する所まで考え対策を立てることが重要です。
椎間板ヘルニアや足のしびれでお悩みの方は、ぜひ当院へご相談ください。
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