長期安静やコルセット固定では、なかなか疼痛が軽減しない分離症。
発症原因を明確にし、今できる対応を段階的にしていくことで運動復帰後も後遺症や再発に悩まず済みます。
分離症のメカニズム
脊柱は前方にある椎間板と、後方にある椎間関節により、身体の支持・運動と保護(内臓・脊髄)を行っています。
椎間関節は左右1つずつあります。
脊柱部の疾患は椎間板損傷(ヘルニア)、椎間関節損傷(ギックリ腰)、脊柱管損傷(脊柱管狭窄症)が有名で、分離症とすべり症は比較的発症数の少ない疾患です。
分離症は10歳から17歳と成長期に骨の完全形成前に起こる骨折で、成人以降は交通事故など強烈な衝撃が局所的に入らない限り稀です。
腰椎は脊柱の下部にあり、5個で構成されています。
分離症は腰椎の中でも最下位にある第5腰椎で発症することが多く、椎間関節の付け根の骨折(骨性連絡欠損)による機能低下を指します。
レントゲンやCTの撮影で骨性連絡がなくなっていることが確認できます。
この現象はテリアの首と呼ばれ、分離症の特徴的指標です。
骨折するほどの衝撃
成長期に起こる骨折の原因は、骨の不完全形成だと考えられています。
骨折には種類があり、分離症は反復的刺激による金属疲労における疲労骨折で、腰椎以外にも中足骨・脛骨・肋骨・肘部でも発症します。
不完全形成は成長には付き物です。
運動による衝撃分散を全身で行っていると発症しにくく、疲労や間違った運動動作を行うことで衝撃分散が行いにくくなっていることを見落としてはいけません。
安静と運動復帰
上記の画像は、当院に実際来院された患者様にお持ち頂いた画像です。
分離症の対策は、「骨折の程度」と「疼痛の強弱」によって変化しますがコルセットを巻いての安静が一般的です。
骨折の程度
骨折はⅠ型からⅧ型まであり、両側骨折が片側骨折によって変化します。
触診による腰椎の動揺性が確認される場合は、両側骨折の可能性が高いため、動揺性が無くなるまでは背骨を大きく捻じる動作は避けるべきです。
コルセットでの固定では動揺性が無くならないため、捻じる動作に制限をかけるために使用していると考えて頂ければと思います。
片側骨折の場合は骨性連続がある側が支点となし、動揺性が少ないため、運動は軽減する必要がありますが安静にせず衝撃分散しやすい身体に戻していくことが大切です。
疼痛の強弱
運動時痛・動作時痛・安静時痛など、どの状況で痛みがあるのか、そして、骨折部分以外に疼痛が出現していないかが重要です。
下肢痛や安静時痛がある場合、分離症によりすべり症が続発している可能性があり、横になり過ごす姿勢によっては症状が悪化する場合があります。
安静にする姿勢は、骨折部分の距離が近くなる姿勢です。
疼痛が運動時痛や最大動作時に感じる場合は、衝撃分散しやすい状況を再構築することで骨折部の疼痛が軽減していきます。
腰椎分離症でお悩みの方は、ぜひ当院へご相談ください。
ちはや鍼灸接骨院のご案内
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