スポーツをしたことない人のテニス肘ゴルフ肘
肘関節の外側が痛くて整形に受診した場合、殆どの方が肘関節の外側上顆炎と診断されます。
外側上顆炎よりも「テニス肘」「ゴルフ肘」の方が名称はメジャーかと思います。
後療法としては肘下にサポーターを巻く場合が多いですが体験したことはありますか?
名称がテニス肘・ゴルフ肘なのでスポーツしている人に多い印象かもしれませんが、実際はスポーツしてない人に起こる場合の方が多くなってきています。
少し解剖学的な話をすると肘関節や膝関節は腕や脚の真ん中にあるので「中間関節」と呼ばれています。
中間関節の特徴は腕だと肩関節や手関節の補助で、動きをスムーズにする役目があります。
役目を考えると、中間関節(肘関節)に痛みが出たとしても、原因が肘関節だけとは言えません。
炎症が起こっている理由には、肩関節や手関節が起こす動作の補助に限界が来ていると考えた方が次のステップに進みやすいと思います。
サポーターを肘下につけても変化する人が少ないのは問題が肘関節周囲にないことを示しています。
その痛みを引き起こしているのは突発的な原因ではなく、継続的原因です。
継続的原因は「なんで痛みが起こったのか分からない」と感じます。
金属疲労減少とも呼ばれますが、同じところに反復的に刺激が入るとそこだけが弱くなったり、割れたりします。
ヒトにも金属疲労減少は起こります。
それは日常生活の癖の中に隠れています。
癖は無意識の事が多いので、原因が分かりにくいのです。
痛みの原因も近代的
昭和の時代からある外側上顆炎ですが、以前は「ハンマーを使う」「綱の引っ張る」など肉体労働の人に多い傾向がありました。
現在は「スマホ」「デスクワーク」など強い負荷がかかっていないような原因も多くなっています。
この動作はやっていたら全員が発症する訳では無く、使い方の癖が重要です。
過去の怪我まで把握すると見えてくる
痛みが出るとここ最近の原因を探す傾向がありますが、それでは不十分です。
以前怪我したところの痛みがとれて解消したと思っていたけど機能が解消していないことが多くあります。
「肘内障(子供に起こる肘周囲の亜脱臼)」「転倒時に手を強く地面に打ち付けた」「鎖骨の骨折の手術による縫合部の癒着」「育児中の乳腺炎」など様々な事が影響としてでている場合があります。
スポーツを行っている人は「どこが理由か分からない人」と「新しいフォームを試したことで発症した人」では原因の説明も違います。
原因は一つではないことが多いのでいきなり色々試さずに1個ずつ試していく方が自分の身体を知る事にも繋がりますし、癖を新しい癖に変化させやすいと思います。
行きあたりばったりは再発しやすい
どこに痛みが出たとしても「身体の全体像の把握」「過去の怪我や病気」「生活様式」「仕事内容」は重要になります。
全てを確認した中で何が一番解消するために必要なのかを分かってケアーをするべきだと思います。
身体には人生の歴史が詰まっています。
ヒトに身についている自然治癒力を最大限引き出す事が大切です。
その為に必要な固定ならするべきだとは思いますが、痛みが取れても固定をし続けるのは依存ですし、予防の固定は肘には必要ありません。
予防と言っていますが「再発したらどうしよう」と不安なんじゃないでしょうか。
それは痛みが取れただけで、解消とは言いません。
気にせず使える事が解消です。
その為にはネットの情報ばかりでなく、自分の身体の状態ありきの考え方が必要です。
同じことをしても他の人が解消してるのに、自分は解消しない。
それは当たり前のことです。
不安を解消し自然治癒力を活性化させるために身体の状態を説明してくれる有識者の意見を聞くことをオススメします。
整形で治療が必要な場合は遊離軟骨(関節ネズミ)など手術を必要とする疾患です。
骨に異常がないと言われたのであれば「手術をするべき疾患ではない」と割り切って他の施術方法に移行してください。
現状把握をして自分で解消できるのか、施術が必要なのかを考えて行動して頂けたらと思います。