手指関節部疾患

一番使用率の高い母指の付け根に起こる疼痛。
固定だけでは根本的原因の解消には至らず、変形をさせる結果に繋がります。
使い方の原因をみつけ、元通り気にせず使える母指にリセットしましょう。
母指手根中手関節(CM関節)は鞍状関節と呼ばれる珍しい構造の関節です。
直線運動と回旋運動が連動している為、他の四指のCM関節の様に一方向(屈曲・伸展)以外の動きが出来ます。
関節の余裕(遊び)がある事で可動範囲が大きいメリットがある反面、関節が苦手な剪断力が起こりやすく、亜脱臼や靭帯損傷が起こりやすいデメリットもあります。
疼痛と可動域制限が主徴で、「ドケルバン病」と勘違いされている方も多く来院されます。
対処方法は装具固定が一般的ですが、変形性関節症にも分類される為、安定性が維持できない場合は手術適応となります。
固定を長期的に行うと、CM関節周囲の筋肉の拘縮により、母指の動きが小さくなります。
手を開くことが出来なくなり、代償動作が増える事で他の部位の疼痛を訴える事があります。
仕事や家事など、状況に応じて固定することはストレス軽減目的では効果的ですが、常に使用することはオススメしません。
腕の疾患の原因で良く言われる使いすぎ。
使いすぎとは「限度を超えるほど使い続ける事」だと考えています。
身体が限度を超えるほど使った時に出す痛みは筋肉痛の様に日にち薬が適応されます。
使いすぎが続くと、身体は耐性が付き筋肉は大きくなり、関節の可動域は広がります。
使えば使うだけ身体は対応します。
母指手根中手関節症はどうでしょう。
限度を超えるほどの刺激を常に加え、筋肉痛や可動範囲の拡大を感じましたか。
そうではなく、筋肉は緊張し可動範囲は小さくなる逆の反応を感じていませんか。
これは使いすぎからくる身体の進化ではなく、使い方に問題があり、身体が防御反応を高めた結果です。
母指手根中手関節症の痛みは日常動作に原因が潜んでいます。
「固定して安静にしていれば軽減する」と言われていますが、指を痛みのない範囲で使いながら生活する事は不可能に近いと思います。
安静が優先事項の疾患は、根本的な原因にたどり着けず、再発しやすくなります。
東洋医学では症状や疾患名にとらわれることなく全身状態を確認し、身体の中に隠れている使い方による患部の影響を紐解きます。
どんどん紐解いていくと「身体の歪み」「関節の圧縮率」「癒着」「皮膚の緊張」「内臓反射」「日常生活動作の偏り」などになります。
東洋医学のメリットは全身状態を把握している為、再発が非常に少ない事です。
母指手根中手関節症のストレスを感じ緊張している脳をリラックスできる環境にするとで、自然治癒力が正常化し日にち薬が適応されます。
少しでも動くようになると必要以上に気にしなくなり、日常生活動作がリハビリになります。
そんな状態を早期に作り、解消のサポートをします。