股関節鼡径部疾患

変形性股関節症・股関節痛

変形性関節症の代表部位は膝関節なのですが、近年股関節の変形による痛みを訴える人も多くなっています。

内視鏡・人工関節など手術の選択を取りたくない人も多く、膝関節の様にサポーターやテーピングのしにくい箇所でもある為、対策が取りにくく感じている人もいらっしゃると思います。

将来的に歩けなくなる不安を感じているとしても余程でない限り、問題なく生活できます。


股関節の変形

人は立っている時、様々な関節を使い「体重」「重力」「床反張力」を分散します。

下肢では、1番自由度の高い股関節の荷重比重が高くなります。

荷重に耐える為に、強い靭帯と大きな筋肉が股関節周りにはたくさん付いており、基本的に股関節は痛みの出にくい関節になっています。

そんな股関節が変形すると、荷重部の軟骨が徐々に消失していき、遂には骨が露出することで炎症反応が出現すると言われています。

しかし、変形と痛みが比例することはありませんし、変形が要因で軟骨が消失することはありません。




軟骨の消失

軟骨は変形によってではなく、加齢によって薄くなります。

加齢はヒトであれば必ず起こります。

加齢とは細胞の水分含有量低下を指します。

細胞はある一定の水分含有量をキープしようとしますが、年齢ごとに含有量が低下するデータはたくさんあり、乾燥状態が続くと細胞が収縮するので、当然薄くなったように見えます。

細胞をスポンジに例えると、スポンジに含まれている水分量が減り、乾燥状態続くとスポンジは小さくなり、劣化しやすくなります。

劣化がしやすいということは再生しにくいということで、それが原因で「しわ」「たるみ」「乾燥」「身長が低くなる」などが起こります。

その為、皮膚の保湿を積極的にしますが、体内の保湿は出来ません。

軟骨細胞が加齢によるり水分含有量が低下した事が変形の要因であれば、ヒトは必ず関節が変形しますが、そうではありません。

特殊な仕事やスポーツで細胞の水分含有量が平均以下になる人がいます。

そうなると劣化が起こりやすくはなりますが、骨が露出するまでに必ず痛みもでますし、可動域制限が起こるので異常に気付きます。


体重との関連

体重50kgの人の場合、大腿骨頭(股関節)に加わる重量は150kgになることが分かっており、1kg増えるたびに3kgの負荷が股関節に追加されるといわれています。

60kgの人で180kg、70kgの人で210kg、80kgの人で240kg…

数字だけ見ると股関節に相当な負担がかかっていますが、関節周囲の靭帯や筋肉によるサポート体制が出来ているので、急激な増量以外は体重だけが原因とは言い切れません。

変形性股関節症で悩まれている殆どの人はどちらか一側の股関節の痛みを訴えることが多いことからも、体重の問題ではないことが分かります。


変形が起こる理由

変形も年齢が上がると起きやすい状態になります。

筋力の影響もありますが、もっと壮大な影響を受けています。

私たちは地球に住んでおり重力があります。

地球は自転を行っています。

人には常に重力と自転による遠心力が作用し、常に倒れる方向にエネルギーがかかっています。

その外的エネルギーに抵抗する形で毎日立っています。

年齢が上がると「背中を丸くして歩く」「両足を横に広げて歩く」これは外的エネルギーに対抗するためには理にかなっています。

ただ、見栄えを気にしてその姿勢を自然にとる事を嫌うはずです。

そうなると頭の重みに対応するように関節は固まっていき、遠心力に対応するために横のエネルギー対策が必要になります。

そうなると自由度の高い膝関節がその側に捻じれていく事で重力エネルギーは一直線に床に流れず、くの字に流れます。

こうなると股関節は今まで以上に固定しないと安定しなくなり、関節にかかる荷重の角度が変化し重力と遠心力から耐えようとします。

変形は身体を安定させるために起こる生理的反応です。


視覚化できないところにも原因がある

変形の無い股関節に戻したいと考えると、手術しか選択肢がありません。

どうしても変形が進行すると手術によって人工関節に置換することを考えます。

人工関節に置換することがダメな訳では無く、人工関節しないと解消しない問題なのかどうかが重要です。

それは、変形があったとしても、痛みや動作改善をすることは可能だからです。

股関節にかかわらず、人の体は年齢とともに少なからずどの関節も変形していきます。

変形に地球規模の影響があるので、変形を失くしたとしても生きてる限り、出現する可能性を秘めています。

関節には骨と骨が接触しないように関節液があり、ボールに入っている空気の様に外へ関節包を引っ張ります。

関節の外からの圧力と内からの圧力が均等であれば関節はスムーズに動きます。

関節の動きが悪いのは内からの圧力が強いためです。

注射をして動きやすくなるのは、関節内の圧力が元に戻ったからです。

圧力コントロールは注射を打たなくても施術で可能です。

変形は解消しないが痛みは解消する

痛みは「全身の関節の機能回復」と「関節圧力のコントロール」で解消しやすくなります。

今出来ている変形をなくすことは不可能ですが、変形が原因ではないので、あっても後遺症の影響になりません。

サポーターやテーピングで保護する事も選択肢の一つですが、補助具に頼る身体でいると他の関節に影響が出始めるので長期的使用はオススメしません。

ますは痛みの不安を取り除くことから始めてみませんか。