肩関節部疾患

四十肩・五十肩と呼ばれる肩関節周囲痛の代表的症状は「動作痛」「可動域制限」です。
それ以外にすべての人に起こる訳ではありませんが「夜間痛」と呼ばれる睡眠時痛で「横になって寝れない」「痛い側を下にして寝れない」方がいます。
夜間痛は動作痛や可動域制限に比べて早期解消しやすい症状です。
夜間痛はヒトの生活姿勢の変化が要因だと考えています。
「日中活動姿勢」と「睡眠姿勢」が90度変化する事で、肩関節にかかるテンションが変化します。
日中活動動作では殆ど腕は垂れ下がっており、肩関節を筋肉や靭帯などで安定させています。
睡眠姿勢では日中活動動作と違い腕が垂れ下がる事はなくベッドに荷重を預けます。
睡眠時は寝がえりを行うことで無意識の体位交換をします。
睡眠姿勢や寝がえりは身体のバランスを戻すために必要な動作ですが、四十肩・五十肩を発症している方は関節内圧力が不安定なため、少しの体位変換が疼痛に直結します。
身体は症状を解消する為に安眠し寝返りを打ちたい、しかし痛覚により安眠出来ず緊張が緩和しない。
これは悪循環です。
日中活動姿勢時に様々な動作に対応できるのは、関節包と呼ばれる関節を覆う組織があり、関節内と関節外の圧力バランスをコントロールしているからです。
これは睡眠時も同じですが、四十肩・五十肩では圧力バランスがうまくコントロール出来ない為に不安定な関節バランスになり痛みを発します。
日中活動姿勢での痛みが解消したとしても、夜間痛が残る場合もあります。
その理由は、圧力コントロールがうまくできていないことです。
圧力は気圧の影響を受ける場合もあり、雨の日に痛みが強くなったり古傷が疼くこともあります。
たまに四十肩・五十肩で悩んでいる人が、「すれ違い際に相手の肩と自分の肩がぶつかった後から痛みがなくなった」「犬の散歩中に犬が予測していない動きをしてリードを掴んでいた肩が抜けそうになった後痛みが解消した」など意図しない急激な衝撃により関節の圧力コントロールが正常に戻る場合があります。
四十肩・五十肩のすべての原因が関節の圧力コントロールで解消する訳ではありませんが、夜間痛だけが解消しない場合に考える身体内要因としての比重は多いと考えています。
身体外要因としては枕と寝具のバランスなどありますが、色々試したけど症状が解消しない場合は圧力コントロールをすることをオススメしてます。
四十肩・五十肩は症状の強弱と解消時期が比例しません。
それは、日常生活動作が関係しています。
痛みも強く安静にすることが長くなると、五十肩の原因解消より、動かさない事が理由で起こる拘縮の解消に非常に時間がかかります。
痛くない範囲を見つける事、痛くない範囲から動かしていく事が重要です。
東洋医学では症状や疾患名にとらわれることなく全身状態を確認し、身体の中に隠れている使い方による患部の影響を紐解きます。
どんどん紐解いていくと「身体の歪み」「関節の圧縮率」「癒着」「皮膚の緊張」「内臓反射」「日常生活動作の偏り」などになります。
メリットは全身状態を把握している為、再発が非常に少ない事です。
四十肩・五十肩のストレスを感じ緊張している脳をリラックスできる環境にするとで、自然治癒力が正常化し日にち薬が適応されます。
少しでも動くようになると必要以上に気にしなくなり、日常生活動作がリハビリになります。
そんな状態を早期に作り、解消のサポートをします。