ビフォーアフター⑥

施術前の状況

患者様は筋力トレーニング中に重さに耐えきれず、右肩を痛めてしまいました。
整形外科でMRI検査を受けた結果、「肩関節包の部分断裂」および「腱板の損傷」と診断されました。
急を要する手術は必要ないとのことでしたが、リハビリだけでは日常生活に支障が出るほどの痛みが続いており、改善が見られないため、当院にご相談いただきました。

施術内容

施術前の検査で、肩周辺を丁寧に徒手検査したところ、腱板よりも「肩関節包」に強いストレスがかかっていることが判明しました。
肩は60度以上挙げることができず、歯磨きや洗髪などの日常的な動作も困難。
さらに、夜間も痛みがあり、睡眠にも影響が出ていました。
また、トレーニング時に高重量に耐えられなかったことで、一瞬にして肩関節が“ねじれるような強い負荷”を受け、体内に衝撃の影響(ショック波のような緊張)が残っている状態でした。
これにより、防御反応(無意識の筋肉のこわばり)が過剰になっていたと考えられます。
さらに、立った姿勢を観察すると、肩関節だけでなく背骨にも痛みによる“ゆがみ”が見られ、腕全体のスムーズな動きも制限されていました。
このような状態に対しては、以下のような施術を行いました。

  • 全身の関節内圧の調整(肩だけでなく全身の関節に働きかける)
  • 自律神経のバランスを整える施術
  • 活元運動(体の自然な回復運動を促す施術)

これにより、少しずつ肩の可動域が回復してきました。
3回目の来院時には、腕の挙上角度がまだ十分ではなかったため、「肩関節の内旋・外旋(肩を内側・外側に回す動作)」にアプローチした施術を追加しています。

患者様のご感想

初回の施術後、その日の夜から痛みが軽くなり、以前よりも眠りやすくなったとのお声をいただきました。
回を重ねるごとに日常の動きが少しずつ楽になり、不安も和らいできたとのこと。
現在は「筋トレに復帰すること」が目標となっています。

今後のケア

肩関節包や腱板の損傷は、完治までに時間がかかります。
そのため、今後も継続的なリハビリが必要です。
特に、以下のような姿勢や動作を日常の中に取り入れていただくようご提案しています。

  • 腕立て伏せの姿勢
  • 壁に手をついて体を支える動作(いわゆる「壁ドン」の姿勢)

これらの動きを通して、関節に適度な圧を加え、肩関節内の潤滑環境の再構築を図っていきます。
また、施術では「筋トレ時の姿勢改善」も重点的に行い、左肩と同様に自然でスムーズに動けるよう、身体全体の連動性を高めていきます。

この記事を書いた人

高橋 裕介のアバター 高橋 裕介 代表,柔道整復師,鍼灸師

資格:柔道整復師・鍼灸師・健康運動実践指導者・福祉レクリエーションワーカー・障害者スポーツ指導員
生年月日:1981年4月1日
施術経験:20年以上
2011年9月より、神戸市の六甲道にちはや鍼灸接骨院を開業致しました。

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