リトルリーガーズショルダーでお悩みの方へ
今回は、成長期における野球選手の肩と肘の痛み、特にリトルリーガーズショルダーについてお話しします。
この疾患は、多くの若い野球選手が経験するもので、早期に適切な対策を取ることが重要です。
リトルリーガーズショルダーとは?
リトルリーガーズショルダーは、医学的には上腕骨近位骨端離開(じょうわんこつきんいこったんせんりかい)と呼ばれる疾患です。
この疾患は、成長期の選手が投球動作を繰り返すことで発症します。
成長期特有の骨端線(骨の成長に関わる部分)に負荷がかかることが原因で、以下のような症状が現れます。
- 投球時の痛み
- 投球後の痛み
- 肩だけでなく上腕部の痛み
- 患部に熱感を伴う
症状が長引くと、痛みが慢性化することもあります。
さらに、この疾患は投げすぎだけが原因ではなく、成長期と投球動作の組み合わせが大きな影響を与えます。
そのため、投手だけでなく内野手や外野手でも発症する可能性があります。
なぜ適切な対策が必要なのか?
リトルリーガーズショルダーでは、単に投球を禁止して安静にするだけでは不十分です。
投球を再開した際に、痛みを庇った不自然なフォームが身につくことがあり、再発や「野球肘」などの併発リスクが高まります。
そのため、痛みを和らげるだけでなく、投球フォームの見直しが必要です。
投球動作と成長の関係
リトルリーガーズショルダーは、成長期特有の身体の特徴が影響します。
特に、投球動作の「コッキング(腕を引き上げる動作)」から「アクセラレーション(ボールを投げる瞬間)」、そして「フォロースルー(投球後の動き)」の中で、成長期の未熟な骨端線部に以下の力がかかることが問題となります。
- 捻転力(ねじる力)
- 剪断力(ずれる力)
- 遠心力(引き離される力)
これらの力が骨端線に負担をかけ、症状を引き起こします。
※参考サイト
投球障害肩(野球肩)の原因・症状・診断・治療 – 足立慶友整形外科
正しい投球動作の重要性
近年、投球動作の解析技術が進み、肩に負荷をかけにくい理想的な投球フォームが明らかになってきました。
しかし、理想的なフォームは成長期の選手にとって難易度が高く、日常生活の動作が未熟な小学生では、理想と現実に大きな差があります。
リトルリーガーズショルダーを発症する選手には、以下の特徴が見られることがあります。
- グローブ側の胸の開きが早い
- 下半身の運動が横に流れる
- ボールを投げる方向以外に体重移動している
これらのフォームの癖が、骨端線に過度な負担をかけています。
そのため、選手の成長に合わせたフォームの再構築が必要です。
当院でのアプローチ
当院では、リトルリーガーズショルダーに対し、以下のような早期解消対策を行っています。
投球動作を完全に禁止しない
骨端離開による「すべり現象」が起きていない場合、少しでも投球を続けてもらいます。
痛みのない投球動作を習得することで、再発を防ぎます。
肩関節のバランスを改善
捻転力や剪断力、遠心力が過剰にかかっている肩関節の状態を整えます。
これにより、肩への負担を軽減します。
投球フォームの見直し
選手の成長段階に合わせたフォームを再構築します。
手の大きさや体重移動、グローブの使い方などを総合的に見直し、理想の投げ方に近づけます。
安静だけでは解決しない理由
痛みが取れたとしても、肩関節にかかる力の問題が解消されない限り、再発リスクは高いままです。
そのため、投球フォームの改善と身体バランスの調整が不可欠です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
リトルリーガーズショルダーについて、少しでも理解を深めていただけたら幸いです。
当院では、選手の未来を守るためのサポートを全力で行っておりますので、気になる症状があればぜひご相談ください!
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