肉離れ・筋断裂の改善について

肉離れ,イメージ

こんにちは!

ちはや鍼灸接骨院の高橋です。

今回は、肉離れ・筋断裂の改善について解説していきますね。

目次

肉離れとは

「肉離れ」とは、筋肉の怪我の一種で、特に運動中に起こりやすい状態です。

この怪我は、筋肉が過度に伸びたり、突然強い力が加わったりした時に筋繊維が部分的にまたは完全に断裂することによって起こります。

一般的にはスポーツ選手に多い怪我ですが、運動習慣のない人にも発生する可能性があります。

肉離れのメカニズム

肉離れを起こす筋肉は、股関節と膝関節を跨ぐ大腿四頭筋・大腿三頭筋や、膝関節と足関節を跨ぐ腓腹筋に多くみられ、股関節から膝関節に強い収縮力が働きながらも、筋肉自体は引き伸ばされる伸張再収縮時の発症がほとんどです。

損傷程度

Ⅰ度:軽度損傷

筋肉中心周囲の筋線維微小損傷を指します。

エコー画像上、筋線維間に出血が確認できるが、皮下出血斑はみられません。

Ⅱ度:中等度損傷

筋腱移行部周囲の筋線維部分断裂を指します。

エコー画像上、筋線維間の出血と部分断裂が確認でき、皮下出血斑がみられます。

  • 筋挫傷:コンタクトスポーツ中の打撲など直接患部に衝撃が入ったことが原因で起こった部分断裂。
  • 肉離れ:間接的に患部に衝撃が入った部分断裂。

Ⅲ度:重度損傷

筋腱移行部周囲の筋線維完全断裂を指します。

損傷時に筋断裂音を聞く場合が多く、患部は陥凹し、脚全体の腫脹著明です。

エコー画像上、筋線維間の過剰出血と完全断裂が確認でき、皮下出血斑がみられます。

筋断裂と神経

筋肉は、神経からの信号で収縮します。

基本筋肉には屈筋と伸筋があり、屈筋を収縮させようと信号を送ると同時に反対の作用を持つ伸筋へ収縮を緩和する信号を送ります。

筋断裂を起こす場合、この神経信号によるバランス異常が原因になります。

完全断裂を起こす場合、ストレッチのやりすぎが要因として挙げられます。

理由は疲労による収縮過多な筋肉を無理やり伸ばそうとすることで、防御反応が亢進し余計に筋収縮信号が過剰になり、その状態でスポーツによる負荷をかけるため、筋肉が弛緩できない状態を過剰構成するためです。

そんな状態で断裂したにも拘わらず、リハビリでストレッチを推奨と治癒期間を長期化させる可能性があります。

筋肉に張りを感じる時は、いつも以上の過剰なストレッチ控えて下さい。

肉離れの対処

肉離れに関わらず炎症反応がある部位に関してはRICE処置が有名ですが、現状把握が不十分だと悪化する場合があります。

発赤・熱感には、アイシングにより修復の邪魔になる余分な熱感を取り除くことをおすすめします。

腫脹の軽減のため、テーピング・サポーターなど固定具による患部の圧迫は、修復を遅延させる要因にもなります。

発症直後は、おすすめしません。

特に腓腹筋の肉離れの場合、固定によりコンパートメント症候群を発症し、最悪壊死する可能性があります。

エコーによる視覚化

当院には関節周囲の骨・靭帯・腱・炎症などを診るための診断機器エコーを完備しており、筋断裂部分が鮮明に確認することができます。

大切なことは、「断裂部分にどの程度炎症反応があり血液が集まっているか」です。

断裂を治すのは、血液です。

修復の邪魔しないことも重要なポイントです。

患部の状況を毎回確認しながら、今は何をするべきなのかを説明し、練習復帰や職場復帰の目途をお伝えしています。

肉離れの疼痛は完全修復前に消失しますが、その状態を完治と認識すると筋線維の修復が弱く血液がかさぶたの様に固まり、筋肉内に残る場合があります。

運動しない方であればしこりが残る程度で済みますが、運動する場合は筋線維が完全修復するまで、状況確認することをおすすめしています。

過剰な施術や固定しないためにもエコーで患部の状況を毎回知ることが重要です。

対処方法の見極

触診を含めた検査とエコーを使い損傷程度が分かると、対処方法が明確化し、早期回復に向けての提案が可能になります。

エコー画像を用いた対策

エコー診断,イメージ

陸上競技中に激痛がはしり、歩行困難になった高校生の患者様の画像です。

整形外科受診後に松葉杖をついて来院されました。

皮下出血斑も広範囲に出ていました。

エコーでは中央に黒く色が抜けている所が肉離れの場所で、血が溜まっています。

初来店時の対策

腫脹により脚がパンパンの状態のため、損傷部を含めた筋線維の減圧を行い、血流循環を促進し修復速度を高めます。

施術することで疼痛・突っ張り感の軽減により、ゆっくり歩くことが可能になります。

この時は固定より、修復を妨げる粗熱を取るためにアイシングを進めています。

一週間後

初来院時に比べ黒い範囲が少なくなり、押し込むと筋肉の柔軟性が戻っているのが分かります。

視覚・触診検査でも疼痛と腫脹が軽減しています。皮下出血斑が足先方向へ移動し、黄色くなってくると、次の段階に進めます。

この状態は、疼痛より張り感が気になるので、アイシングは行わず少しずつ庇わず歩くことをおすすめしています。

入浴も水圧を使い脚全体に一定の圧力刺激が入るため、おすすめしています。

エコー診断,イメージ2

一カ月後

エコーの黒い部分も少なくなり、腫れやシコリも軽減しています。

視覚・触診検査でも痛みも張り感も無く、本調子まであと一歩の状態です。

この時期は運動を再開し、刺激を入れることで修復を促進します。

運動後は患部をアイシングしてもらいます。

この状態でケアを怠ると患部の出血が硬化し、シコリが残り古傷となるため、注意が必要です。

三ヵ月後

エコー上で断裂が確認されなくなりました。

視覚・触診検査でも損傷脚と反対脚を同じ弾力性になっており、後遺症に悩まされることもありません。

肉離れと歪み

肉離れは外傷(怪我)だと考えられているため、患部の処置に比重を置きすぎる傾向にあります。

しかし、断裂する程のストレスが継続的に加わるには、睡眠では解消しない疲労蓄積を考える必要があります。

疲労蓄積の原因を使い過ぎだと考えるなら、両脚に肉離れが起こる可能性が高くなります。

そのため、使い過ぎ以外の原因を見つけだす必要があります。

身体には前後バランス・左右バランスの他に、捻じれバランスが存在し、身体を支持しています。このバランスは個人差があり、同じストレッチや運動していても、疲労回復にも差が出ます。

疲労が過剰になれば身体は歪みを強くし、支持力を高めるために筋肉を緊張させます。

この緊張を疲労と解釈し、ストレッチを過剰に行うと、支持力を失った身体はより強く収縮します。

この状況を解消しない限り、肉離れは早期解消せず、再発する可能性を残したままとなります。

肉離れ解消に必要なこと

問診,イメージ

肉離れは現状把握を行い、患部だけでなく全身の過剰緊張をコントロールしていくとほとんどの場合、スムーズに解消します。

しかし、日常生活動作の癖や運動動作の偏りが肉離れの要因の1つであるため、動作により再発する場合がありますが安心してください。

普段行っている動作が身体に負担をかけていることに気づくチャンスです。

どんな姿勢が身体に負担をかけているのかしっかり説明していますので、無理はせず今できることから動きを再構築しましょう。

肉離れや筋断裂でお困りの方は、ぜひ当方へご相談ください。

以上、肉離れ・筋断裂の改善についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

資格:柔道整復師・鍼灸師・健康運動実践指導者・福祉レクリエーションワーカー・障害者スポーツ指導員
生年月日:1981年4月1日
施術経験:20年以上
2011年9月より、神戸市の六甲道にちはや鍼灸接骨院を開業致しました。

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